コラム

第15回 人口減少と秋田の企業経営者(下)

第15回 人口減少と秋田の企業経営者(下)

 今回は、前回のコラム「人口減少と秋田の企業経営者(上)」の続きです。前回のコラムとあわせてご覧ください。

 エネルギー価格の上昇やコロナ融資の返済開始による資金繰りへの影響など、最近の中小企業を取り巻く経営環境は厳しいものがあります。全国一の人口減少圧力に立ち向かう秋田県の企業経営者には、他県の経営者以上に、様々な困難を克服するための創意工夫と、社員を巻き込んでそれを実行する強いリーダーシップが求められています。

【第15回コラム】秋田県の人口減少

 最近の調査によると、秋田県内の企業経営者の平均年齢は62.4歳で全国第1位、後継者不在率は69.9%で全国第3位です。(2022年、帝国データバンク調べ)
 当たり前のことですが、企業の成長サイクルが衰退フェーズにある会社ほど後継者が見つかりにくく、経営者は高齢になりがちです。さらに、高齢な経営者ほど過去の成功体験にとらわれて、新たな挑戦を回避する傾向があります。この数字を見る限り、秋田県の中小企業経営は衰退へと向かう負のスパイラルに陥っているという見方ができます。

 人間は一年に一歳必ず年を取ります。経営者も例外ではありません。経営者の高齢化により、県内企業の市場からの退出が加速し、貴重な雇用の場が消滅して人口減少にさらに拍車がかかる事態がさし迫っています。
 秋田の経営者の皆さん、人口減少を嘆いてばかりでは何も解決しません。今こそ新たな取り組みに挑戦し、自社をさらなる成長に導きましょう。秋田県の人口減少の歯止め役は、企業の成長を通じて良質な雇用の場を創出する、一人ひとりの経営者の皆さんが担っています。

 ※本コラムは、あきた企業活性化センター「ビックあきた(2024年3月号)」に掲載された「秋田の元気は企業の元気から」を加筆修正したものです。