コラム

第14回 人口減少と秋田の企業経営者(上)

第14回 人口減少と秋田の企業経営者

 秋田県の人口減少に歯止めがかかりません。秋田県は2024年7月1日現在の県内の人口が899,314人との推計を公表しました。実に104年ぶりに90万人を下回ったことになります。
 国勢調査によると、1980年(昭和55年)には東北6県中第5位だった秋田県の人口は、10年後の1990年(平成2年)に山形県に逆転されて東北最下位となりました。過去40年間の秋田県の減少人口は約30万人、ちょうど秋田市一つ分が消滅したことになります。東北6県で最大の減少です。

【第14回コラム】東北六県の人口推移

以前、売上減少に悩んでいる経営者の方とこんな会話をしたことがあります。
長谷川 「社長さん、今考えている売上挽回策を教えてください。」
経営者 「まず秋田県の人口減少を止めることだすナー。」
長谷川 「???」

 確かに秋田県の企業経営者は人口減少という大きなハンディキャップを負っています。しかし、それを嘆いているばかりでは何も解決しません。企業にできることもあるはずです。
 一般に、企業には時間の経過とともに、創業期、成長期、成熟期、衰退期の4つの成長フェーズがあると言われています。

【第14回コラム】企業の成長サイクル

 創業期は文字通り事業を始めて間もないフェーズです。成長期になると事業規模が拡大し利益を生み出し始め、成熟期に企業の利益は最大化します。さらに衰退期に入ると、これまで成立した事業モデルが外部環境の変化にマッチしなくなり、事業規模は縮小に転じて赤字が発生し始めます。衰退期が続いて赤字が累積した企業は、市場からの退出、つまり廃業を余儀なくされます。
 一方で、こうした事態を避けるため、経営者は自社を取り巻く経営環境の変化を常に観察し、新たな事業モデルを模索してさらなる成長を目指します。

(次回「人口減少と秋田の企業経営者(下)」につづく)

※本コラムは、あきた企業活性化センター「ビックあきた(2024年3月号)」に掲載された「秋田の元気は企業の元気から」を加筆修正したものです。