前回のコラムでは、ポスト新型コロナの日本で、秋田県はテレワークを始めとする働き方の多様化を進めることで、女性や若者、そして高齢者が働きやすい県全国1位を目指すという私の考えをお伝えしました。
「そんなのムリだべ。」と思っている県民の皆さん!!子どもの学力日本トップクラスの秋田県民の優秀な頭脳を使う時は、今しかありません。(でないと、永久に来ないかもしれません。)私たちの秋田県が、日本全国の、いや、世界中の働き手にとって魅力ある地域になるために何をすべきか。県内の首長や議員の皆さん、行政に携わるすべての皆さん、そして何よりも地元企業経営者の皆さんの本気度と構想力が問われていると言えます。
さて、今回お伝えしたいのは肝腎の地元企業の存続の問題です。今回のコロナ禍による人の移動制限で、日本中の消費需要のかなりの部分が一時にして「蒸発」してしまいました。いずれコロナ禍は終息するにしても、その間の売り上げが立たないのですから、経営は困難を極めます。
政府が財政を出動し、売り上げが急減した企業や個人事業主に「持続化給付金」を支給するのは、緊急措置としては大いに賛成です。また、金融機関が審査時間を短縮し緊急融資に即応しようと努力しているのも当然といえます。なにしろ、このままでは日本の企業、特に中小零細企業は総倒れとなり、失業者が街にあふれる危機が迫っているのですから。
ただし、問題は救済を受けようとする企業の中身です。残念ながら、これらの企業の中には、コロナ禍の前から赤字経営が続き、金融機関への融資の返済もままならない先が少なからずあります。金融機関に円滑な資金供給と柔軟な貸付条件の変更を求める「中小企業金融円滑化法」は平成25年3月に期限を迎えましたが、金融庁は金融機関に対し引き続き法の趣旨の尊重を求めています。こうした事情もあり、経営環境が悪化している中でも、かろうじて延命している企業が多数存在するのです。こうした企業にもコロナ禍の影響は当然及びます。私はこうした企業には、健全企業とは別の処方箋があってしかるべきと考えます。
健全企業に対しては、コロナ禍終息後の再起を念頭に置いた各種給付金や緊急融資を含む資金面での経営持続策を、迅速かつ十分に手当てします。これらの企業が将来再起を果たした折には、地元経済は、雇用や税収の拡大を通じて再び恩恵を受けることが期待できます。
一方、残念ながら延命治療中にコロナ禍の直撃を受けた企業は、たなぼた的な給付金や将来の返済がおぼつかない融資金は、むしろ企業自体の病状を悪化させ、社会全体のコストを押し上げる懸念があります。そこで、このような企業に対しては、その病状に応じて、健全企業への変身を遂げるための経営改革支援から事業廃止に向けたソフトランディング策まで、コンサルティング中心の幅広い支援策を用意し、資金面での支援は必要最小限に抑制します。コンサルティング活動を担当する経験豊富な専門家チームは、県内外で活動する中小企業診断士、税理士、社会保険労務士などの士業の皆さんや、金融機関のOB・現役職員の皆さんで構成します。
突飛とも思える私の考えに、賛同してくれる方が少しでもいてくれたらうれしいのですが。