書評

第12回 否定しない習慣

第12回 否定しない習慣

書名:否定しない習慣

著者:林 健太郎

発行日:2023年5月21日(第7刷)

発行者:フォレスト出版

価格:1,650円(税込み)

書評

 うすうすとは気づいていたのですが、本著を読み終えて確信に変わりました。著者の林健太郎氏は兎に角「相手を否定しない」ことが重要と説きます。無理して誉めることも、励ますこともありません。ただただ「否定しない」のです。否定しない人であることがわかれば、個人間に心理的安全性が生まれます。人は否定されると急に不安になり、パフォーマンスが低下します。逆に否定しないことがわかると、人は委縮することなくどんなことでも言い合えます。

 もちろん簡単ではありません。否定しない人になるためには、自分ではなく話し相手のことを第一に考える心の広さが必要となります。究極の利他の精神ともいえます。

 私に限って人のことを否定などしない、ただ間違っていることを指摘しただけだ、と思い込んでいる人こそ反省が必要です。(実は私もその一人です。)自分の方が相手よりも知識も経験も優れているという上から目線の発言は厳に慎みましょう。あなたの知識や経験が会社や世間にとってどれほどのものか、本当のところはあなた自身も知らないのですから。